筆界特定と問題点

土地境界に争いが生じた場合,以前は裁判所で争う(筆界確定訴訟)しか方法がありませんでした。

しかしこの筆界確定訴訟は次のような問題点があります。

1、判決確定までには相当の時間やお金がかかる。
2、裁判をすると,隣人関係に悪影響が及ぶことが多い。
3、土地境界に関する資料収集が難しい。
4、訴訟担当者に土地境界に関する専門的能力・知識がない場合が多々ある。
(弁護士は業務範囲が広く,土地境界争いに精通している人が多くない)

そこで境界の争いを早く,安く解決するため、筆界特定制度が創設されました。

筆界特定の利点は上記の筆界確定訴訟の問題点を解決または軽減するところにありますが,次のような問題点もあります。

1、紛争のなかに所有権の範囲の争いも含まれる場合に対応できない。

土地の境界と所有権の範囲は別で,たとえば土地の一部を分筆せずに売ったような場合は筆界と所有権界は異なってきます。

こういう場合は所有権界こそが重要で,筆界を決めても問題は解決しません。

2、裁判と違って確定効がない。

裁判で確定すれば,それが最終的な決着になります。蒸し返すことはできません。しかし筆界特定は法務局の行政判断なので,裁判でひっくり返ることもあります。

もっともこれはめったになく,大阪の場合,筆界特定申請は今まで3000件以上申請されていますが,裁判になってひっくり返ったのは3件とのことです。

3,当初期待されていたほど早くできない。

現在大阪では9ヶ月程度かかっているようです。